構造化面接を使って、採用基準を一律にし採用を行うという手法を紹介しました。
今回は、実際にそちらを使って効率的に採用を行った事例をご紹介いたします。
再現性を持たせるためのステップ解説
なんとなく募集を行う
↓ 集まった学生から印象の良い学生を選んで内定を出す |
という、行き当たりばったりの採用を繰り返しても、再現性の高い採用を実現することは難しいです。
再現性がない=外部環境に左右されるということなのです。
“外部環境に左右されることなく毎年活躍人材が採用できる”と聞くと夢のように聞こえる方もいらっしゃるかもしれませんが、実はそこまで難しいことではありません。
採用に再現性を持たせることは、企業にとってとても大きな強みとなります。
現に今回ご紹介する会社は、今回の新型コロナウイルスの影響なども全く受けずに採用ができています。
ではその事例をご紹介します。
大阪本社、200名規模のIT企業の活躍人材採用
【概要】
社長面接の通過率が悪く、そこをカバーするために母集団を増やし選考を行っていた企業が、適性検査を用いて選考中の歩留まりを上げた取り組み。
!!POINT!!
社長の評価基準を満たす学生と入社後活躍する学生の共通点を見つけてオファーを行った。
OfferBox導入前の課題
スキルマッチしている学生(特定言語でのプログラミング経験など)は集まってきているが、面接の中で人物面の評価が悪く社長面接で不合格になる学生が多かった。
せっかく数多く集めても、最終局面で不合格になるため人事は大量に学生を集めようと複数の採用ナビ媒体を使用。採用に費やす時間もかなり長かった。
【実現したいこと】
自社にとって必要な要素のうち、“ソフトスペック=性格・行動特性などの人物面”に重きをおいた採用も強化したい。
感覚で行っていた面接を適性検査を用いて数値化することで、自社にとってマッチする人材の言語化を図った。
【行ったこと概要】
①既存活躍社員の共通点を見つける
②社長面接で合格になった学生・不合格になった学生を比較する
③ ①、②の結果を併せて学生検索軸に置き換えOfferBoxからオファーを行う
【具体的には】
①:既存活躍社員の共通点を見つける
社員200名全員に適性検査を実施。
ハイパフォーマーに共通する項目5つをピックアップする。
・本質探索力
・対策立案力
・行動/実行力
・自分の意図を的確に伝える力
・基本ストレス耐性
②:社長面接で合格になった学生・不合格になった学生を比較する
選考学生の適性検査結果をグラフ化。社長が内定を出した学生とそうでない学生を比較した。(下記グラフは一部抜粋)
紫線=社長NG学生
緑線=社長合格学生
その結果、
・本質探索力
・対策立案力
・判断力
・目的観を深める力
・気持ちを切り替える力
に特に有効な差異がみられた。
③:①、②の結果を併せて学生検索軸に置き換えOfferBoxからオファーを行う
①、②を併せると、下記の項目が高いことが「合格条件」または「活躍条件」を満たすことがわかった。
・本質探索力
・対策立案力
・行動/実行力
・自分の意図を的確に伝える力
・基本ストレス耐性
・判断力
・目的観を深める力
・気持ちを切り替える力
既存社員のハイパフォーマーと、社長面接合格者に共通していた項目は
・本質探索力
・対策立案力
なのでここを第一優先に検索軸を設定。
<検索設定>
・大阪勤務希望
・プログラミング経験のある言語指定
・本質探索力&対策立案力 の偏差値55以上
上記の条件にHITする学生にオファー送信を行った。
結果
社長面接の合格率が87.5%に向上(8名中7名)
現場・人事の評価も例年と変わることなく維持
面接人数は昨対比66%に削減
このように、適性検査の結果を元に学生のターゲットを抽出し母集団形成を行うことで様々な問題が解決します。
大事なポイントとしては、社長の選考基準だけを満たしにかからないことです。残念ながら、社長が合格を出した学生も離職することはあります。なので、現存の社員(ハイパフォーマー)と高評価学生を並べることが重要です。
ハイパフォーマーと高評価学生の共通点が全くない場合は、面接基準や選考手法の見直しが必要かもしれません。