ここまで、「自社にとっての活躍人材とは」「それを採用するにはどうすれば良いのか」
というテーマでお話をさせていただきました。今回は“再現性”についてです。
【前提】
活躍人材の採用における再現性とは、
「自社で活躍する人物を、安定して採用できること」とさせていただきます。
「採用した学生がたまたま活躍してくれた!」
「面接でなんとなく見極めていたけどマッチしてくれた!」
などは再現性のない採用になってしまいます。要するに、
狙ってした取組でなければ再現性があるとは言えません。
皆様は下記のような表をご覧になったことはありますか?
これは、「選考での評価が入社後の活躍にどのくらい相関しているか」という表です。
それぞれの選抜手法に対して妥当性係数という考え方を設けており、
高ければ高いほどその選抜手法が有効であることを意味しています。
【雑談形式の面接は適さない!?】
一番高いのはワークサンプルで、妥当性係数は0.54となっています。やはり、実際に仕事をしてもらい、
そのスキル判定するという手法なのでここは納得かと思います。
特筆すべきは「非構造化面接」と呼ばれるものです。
こちらが上記リストの中で最も低く0.31となっています。
非構造化面接とは、固定の質問を用意せずざっくばらんに行う、いわゆる雑談形式の面接を指します。
この非構造化面接で採用を行っている企業も多いのではないでしょうか?
実は、この形式での優劣の判断は採用後の優劣に直結しにくいことがわかっています。
【Googleも導入している、構造化面接】
とはいえ、ワークサンプルを集めるのは時間もかかるし現場の協力もかなり必要になってきます。
採用業務はできるだけ人事で請け負いたいという方も多いはず。
そこで次に注目していただきたいのが「構造化面接」です。
こちらの妥当性係数は0.51と、ワークサンプルとほぼ変わらないことがわかります。
構造化面接とは、“自社の採用要件を明確にしたうえで、あらかじめ評価基準と質問項目を決めておき、
マニュアル通りに面接を実施していく面接手法”のことです。
Googleなども採用時に導入しており、昨今非常に注目を集めている選抜手法です。
最大のメリットは、誰が面接しても一定の基準で候補者を選抜することができるようになるということです。
・質問を揃える
・そこに対する回答で合否を判断する
・判断の基準も全て定める
この3つを型化してしまえば、自社の採用は飛躍的に再現性を持たせることができるようになるというワケです。
長期インターンなど、ワークサンプルになかなか手が出せないという企業様は、
是非ここから説明する構造化面接に挑戦してみてください!
【構造化面接を導入しよう!】
構造化面接を導入するためのステップは下記の通りです。
・自社で活躍する人材の定義ができている
・その要素を発見するための質問を用意する
・シートなどにまとめて管理をする
おそらく、実践編のコンテンツで活躍する人材の定義まではできているかと思います。
構造化面接で最も難しいのは質問を用意する部分になります。
こちらは下記のステップで作成していただくと進めやすいです。
とはいえ、これだけではイメージしにくいかもしれませんので、例を用意しました。
これはあくまで一部ですが、こちらの会社は上記の項目を6つ用意しています。
あとはこちらを運用するのみとなります。
【長年の経験からくる勘・主観は捨てましょう】
面接の中では主観を捨て、構造化面接に徹しましょう。
面接中「この子良さそうだなー」という思いはかならず出ると思いますが、
構造化面接シートに照らし合わせた時に不合格であればそれに従わないと全く効力を発揮しません。
ただし、正直学生からすると構造化面接はそこまで心地の良いものではありません。
一方的に質問をされるだけで雑談のような話しやすい雰囲気もないためです。
注意事項として、構造化面接はしすぎると学生の意向が下がってしまうというものがありますので、
意向醸成につながるイベントなどをうまく組み合わせて自社にあった人材かを見極めつつ、
学生にも興味を持ってもらえるような採用プロセスを組み立てましょう。
弊社が構造化面接を取り入れて行った採用について、詳細を下記に記載しております。
ご参考にしていただけますと幸いです。
セミナーレポート「HRtechを駆使した採用の効率化 〜活躍人材分析事例のご紹介〜」